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マリー・アンヌより各人への別紙
クロティルドさま
あなたは前夜ミサで指輪を落とします。
その指輪はお母さまがオスカルの指にあわせてご用意なさいます。
そして落としたことにしますが、実はわたくしが司祭さまにお届けしておきますから、
実際には、あなたはお屋敷に戻ったときに、指輪を落とした、と騒いでくれるだけで
よろしいのです。
いたって簡単なお役ですから、よろしく。
オルタンスさま
あなたは聖書を前夜ミサの教会に忘れます。
その聖書には付箋をはさんでおいてください。
そこにはお母さまとわたくしたちからの伝言を書いておきます。
あなたはお屋敷に戻ったときに、聖書を忘れたこと、そしてその聖書には付箋がはさんで
あることをオスカルに伝えてください。
付箋をはさんだ理由は適当に考えてくださいね。
ル・ルーの母としての本領発揮ですわよ。
カトリーヌさま
計画を一緒に考えてくださってありがとう。やはりあなたは一番頼りになりますね。
忘れ物や落とし物をする三人にはそれぞれ指示を出しました。どれも簡単なことだから
うまくやってくれるでしょう。 当日のわたくしたちは高みの見物です。
うまくいくよう一緒に祈りましょう。
ジョゼフィーヌさま
あなたはミサに被る白いレースのベールを持参してください。そしてそれを教会に忘れ
てきなさい。
できるだけ上等な美しいものを新調してほしいのです。あの子の結婚式であの子を花
嫁たらしむる唯一の衣装ですから。あなたのオスカルへの愛情の証ともいえましょう。
楽しみにしていてよ。
※このお話は「ノエル編」に続きます。